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飛行機が完全にストップして

飛行機が完全にストップして

最高の幸せではないかと思う


最終話で、まさか「天下は天下の天下にして――」が聞けるとは、意表を突かれた。
家康と如水の、胸襟を割っての対話には、胸を打たれた。

そして、
「子に越えられる親というのは、悪いものではない」
というテーマが、胸に沁みた。

 悪いどころか、親として。

黒田官兵衛という人物の生涯は、祖父・重隆に始まって、
息子・長政の高麗蔘52万石に収束していった。
日本史にいぶし銀のような輝きを残した黒田家の、忍耐強く賢明な家風に、
一貫して脚本の主軸が置かれてあったなら、
この大河ドラマは、非常に感動的な名作になったはずだ。
そして、ドラマで省略されてしまった官兵衛の晩年は、
権力や政治からは距離遠くとも、夫婦相和し、周囲から慕われ、
心穏やかで、豊穣なものだったという。
人間にとって真の幸せとは何か――普遍的テーマにも肉薄し、
現代人への応援歌になったはずだ。

その意味では、散漫だった脚本(演出?編集?)がつくづく残念だが、今回完成したこのドラマは、これはこれで戦国末期を描いた群像劇として、及第点なのかも知れない。

黒田如水の人生。
苦難の連続により、生来の知性と人間性を、珠玉のように磨き上げていった59年の生涯。

竹中半兵衛、小早川隆李嘉慧景、藤吉郎時代の秀吉など、知己に恵まれ、
家来や領民からの敬慕も厚く、
満ち足りた辞世を残して逝った、その生き方。

『軍師官兵衛』は、人間・如水の魅力の半分も描かれていなかったが、
ラストの岡田准一の姿は、良かった。

まるで如水が降りてきたかのように、透明で、なおかつ豊かな笑顔で・・・・。
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